ジュエリーマナーの時間です!
今月は9月の誕生石、サファイアのお話です。
先週のお話の続きで、もう1つ興味深いお話があります。
浮気を封じるブルーサファイアが、同時に「不貞や姦通を見破る」こともできるというものです。
この俗説は4世紀にはすでにあったようですが、
15~16世紀にかけて浸透し、18世紀に流行しました。
フランスのオルレアン公(フィリップ二世)は、女性が不貞を働けば色が変わるというサファイアを手に入れ、
自分の愛人の心変わりを調べるのに使っていたそうです。
このサファイアは18世紀に女流作家が「不思議なサファイア」という小説にしたことで一躍有名になりました。
現在はロンドンのケンジントン博物館にあります。
戦争の多かった時代、戦場に赴かなければならない男性は、愛する妻や恋人に、
変わらぬ愛を誓ってブルーサファイアを贈り、自らも身に付けたといいます。
宝石には、こういったパワーがあるといわれています。
科学的には説明できないことが多いので、信ぴょう性は低いと思われがちですが、
古代からの言い伝えというものは、実は、そんなにいい加減なものではありません。
というわけで、ここで、
本当にブルーサファイアを身につけて浮気をすると、宝石の色は変わるのでしょか。
ブルーサファイアの化学的な特性から検証してみたいと思います。
実際に、ブルーサファイアの中には、人の手によって色を変えることができるものがあります。
ご存じの方も多いと思いますが、
ブルーサファイアは、加熱することによって色を変えることができます。
加熱する条件を変えることによって、薄い色を濃くすることもその逆も可能です。
ただし、そのためには、宝石の中に、ブルーサファイアの青色の原因であるチタン(Ti)と鉄(Fe)が含まれていることが条件になります。
一般にお店に並んでいるブルーサファイアは、まず100%加熱された宝石です。
というのも、加熱しなくても好ましい青色のブルーサファイアは、もうほとんど産出されないからです。
浮気というと「許されない恋」。
その後ろめたさが益々ハートに火をつけて、人は熱を持つのかもしれません。
その結果、ブルーサファイアに熱が加わって色が変わった!
そのような説もあると思いますか?!