5月になりました❣
5月の誕生石は、『エメラルド』と『ヒスイ』です。
エメラルドのお話をご紹介します。
エメラルドには、コロンビア以外にもいつくか産地があります。
他の産地のエメラルドには、三相インクルージョンはみられませんが、
それぞれに産地に特有のインクルージョンを見ることができます。
産地によって、緑色の雰囲気も少し異なるので、
見比べてみると面白いと思いますよ。
世界3大美女に数えられた絶世の美女「クレオパトラ」のことは皆さんよくご存知ですよね。
クレオパトラはまた、大変な宝石の愛好家としても有名で、宝石に関する数々の逸話を残しています。
クレオパトラというと、黒髪のボブスタイルで、緑色のアイシャドーをこってり塗ったイメージがありますが、
この緑色のアイシャドーに、クレオパトラはエメラルドを磨り潰して使用していたという伝説があります。
エメラルドを磨り潰してアイシャドーに使う。
何ともクレオパトラらしいというか、贅沢なお話ですよね。
現在でも、女性ならお洒落には多少の贅沢はしたいものです。
宝石のアイシャドーが発売されたら、案外当たるかもしれません。
では、実際にエメラルドでアイシャドーが作れるのか?
私たちの周囲の光は無色透明です。これを白色光といいます。
しかし、実際には白色光の中には赤色から紫色までの光が含まれています。
雨上がりに見られる虹は、この白色光を構成する光が分かれて観察できるようになった現象です。
エメラルドでは、光が宝石を透過するときに、内部に含まれる不純物(クロム)によって、
青色~紫色、黄色、そして赤色の一部が吸収されるという現象が起こっています。
そのため、残った緑色が私たちの眼に届くことになります。
あくまでも光が透過することが原則なので、粉々になって光が透過しなくなってくると緑色でなくなってしまうのです。
同じ現象は、色のついたグラスやビンを割ったときにも見ることができます。
では、宝石をアイシャドーにするのは不可能なのでしょうか。
いえいえ、マラカイトやラピスラズリといった不透明の宝石を磨り潰していくと、美しい緑色や青色の粉末になります。
これらの宝石の色は「光の透過」ではなく、「光の反射」によって生み出されているからです。
これらは「岩絵具」として、絵を描く時に使用されたりもします。