5月になりました❣
5月の誕生石は、『エメラルド』と『ヒスイ』です。
エメラルドのお話をご紹介します。
前回のお話の続きから…
ここで、エメラルドの鉱物的な特徴について、ちょっと説明します。
エメラルドは、鉱物学的には「ベリル」という鉱物に属します。
「ベリル」とは、非常に軽い元素であるベリリウムを主体とする結晶で、
そのため、大変比重の低い鉱物になります。
宝石の大きさは、カラットで表現されますが、
同じ1ctで比較してみてください。
ダイヤモンドやルビーと比べて、エメラルドはずっと大きいことに驚くと思います。
そういう意味では、お得感のある宝石ですね。
不純物が非常に少ない純粋なベリルは無色透明(ゴッシェナイト)ですが、
微量な不純物が含有されることで、様々な色を呈します。
エメラルドの緑色は、微量のクロム(Cr)とバナジウム(V)が含有されることによって生じます。
これらの成分は、集中的に地殻に存在するのですが、
そこにはベリルの主成分であるベリリウムは全く存在しません。
つまり、地球内部で遠く離れて存在する成分が、極端な地質の変動と、
高温高圧下という、大自然の偶然の中で一緒になり、生成された奇跡の結晶がエメラルドなのです。
通常は混じり合うことのないものが混入するぐらいですから、
エメラルドには、他の宝石に比べて、非常に多くのインクルージョンが含まれるというわけです。