ジュエリーマナーの時間です!
今月は12月の誕生石は、トルコ石・ラピスラズリそしてタンザナイトのお話です。
先週は、12月の誕生石のニューフェイスを紹介しましたが、
今回はもともとの創設メンバーについて、紹介したいと思います!
「トルコ石」と「ラピスラズリ」は、鉱物的には全く別の種類になりますが、
共通点があります。
それは美しい青色の原因が、石の中に含まれる銅(Cu)成分であること。です。
同じく銅によって青色を呈する宝石としては、
パライバトルマリンがあります。
あの鮮やかな青色。魅力的ですよね。
パライバトルマリンも20世紀になってから発見された新しい宝石。
古代には、美しい青色を示す宝石の代表は、トルコ石とラピスラズリだったのです。
しかも、パライバトルマリンは、銅を微量成分としてしか含有していないのに対して、
トルコ石とラピスラズリでは、主成分に銅が含まれています。
これはどういうことかと言いますと、
ラピスラズリを細かく砕くと、美しい青色の粉末になるということです。
これは古代、美しい青色の絵具「ウルトラマリン」の原料でした。
長い歴史の中で、宝石は装飾品としてだけではなく、
医薬品として、時には絵具としても活用されていたのです。
現在では、この「ウルトラマリン」の絵具も合成されるようになりましたが、
昔は相当高価なものだったようですね。
何といっても、本物の宝石を磨り潰して作るわけですから。
「ウルトラマリン」とは、「海を越える」という意味だそうです。
ヨーロッパから見ると、当時はアフガニスタンで産出されたラピスラズリが、
海を越えて運ばれてきたことから、このように呼ばれたそうです。
当然画家にとっては、めったに使用することのできない貴重な絵具。
宗教的な壁画(マリア様の衣装)をはじめ、絵画の重要な部分にのみ使われていたようです。
フェルメールの「青いターバンの少女」に使用されているのも、このウルトラマリン。
何年経っても褪せない美しい青色ですよね。
ちなみにこの作品「真珠の耳飾りの女」というタイトルで、映画にもなりました。
モデルになった少女は、フェルメールに絵具の準備係を任命されて、
絵具の作り方を教えてもらいますが、青色の絵具だけは触らせてもらえなかった。
というシーンがありました。
名画の中にも、宝石がいる。
それも、今月の誕生石。
素敵ですね✨